『二本の木』

本日のLAのお天気は風が少々あり、快晴!日本に帰省する前に洗濯を干したいので地面の湿気が跳んで週末洗濯するのにはちょうどいいかな…もちろん、我が家の洗濯物は外干しです。(アメリカではかなり珍しいと思います。)と言っても、水質と乾燥の度合いが日本の場合とだいぶ違うので『生乾き』で取り込んで、乾燥器で仕上げます。(これで乾燥器にかける時間が1/4で済みます。)
我が家のソーラー発電量 (発電量マイナス利用料) +5 (貯金)でした。
元NHKプロデューサーの小沢爽氏夫妻の闘病日記をまとめた『二本の木』。二人の俳優が朗読と言う形で構成した番組。大変感銘を受けました。
彼が定年退職して、これから第2の人生を楽しもうか…という矢先、まずは奥さんが肺がんの診断を受ける。数年後、彼女の看病をしていた彼が胃ガンと診断される。壮絶な闘病生活…お互いに示される『愛情』を『聖書』の一説に書かれた『二本の木』のストーリーと掛けて、お二人の最後を彼自身でまとめあげられている。お二人はクリスチャンだとのことで『ガンに対する考え方』も『潔さ』さえうかがえた。『受け止め』『戦う決意』その中で『希望』を持ち続け『悪あがき(他にことばがみつからなかったのですが…)』にも似た行動も試みる。そして『現実の重さ』。
見ていて自分の『母』のことがダブります。わたしの母はアメリカのホスピスでその生涯を閉じました。とにかく『痛み』『シンドイ』のはイヤ!と断言して、余命6カ月と診断された時点で検査も拒否、化学治療、薬物療法も一切拒否。緩和ケアのみを希望して、ホスピスケアを選びました。
アメリカの場合、病院で長期入院をしません。『治療をしない』となると『Care Center(ケアセンター)』と呼ばれる長期療養施設に入り、そこでホスピスケアを受けます。ここでは末期患者の家族は『最後の準備』を入所早々求められます。アメリカの場合全て分業ですから、万が一『心停止』の場合『心臓マッサージ、呼吸補助装置』などの処置を望む場合はケアセンターでは『医療行為』をしないので、救急車を呼び、病院に搬送されて処置を受けます。そして、最後の時を迎えた際の遺体の引き取り(葬儀社の手配)葬儀の手筈などもあらかじめアレンジしておくのです。さすがにわたしも『合理的な国アメリカ!』を再認識させられてショックでした。
しかし、一方で心の整理が始まり『これもプロセスの一部である』と母の死を受け止める第一歩になったと思います。
番組の夫婦を見て『北村夫婦』に置き換えて考えてみました。主人が一回り以上年上なので、一般的に、『わたしがいつかは未亡人になるのかな!』と思っていましたが、今の世の中『未来の見える望遠鏡』は存在しませんし『ガン系』であることがはっきりしているので、もしかしたら、わたしが…ということもあるわけです。小沢氏が体験したような苦労を主人にさせてしまう確立もある!っと思うと『今のうちから精一杯お世話をしておこう!』などとゲンキンな考えを持ったり…(苦笑)。『不健康=不経済』を考え、昨年は『ガン保険』に入りました。先日も書いたように『保険は病名がついてからしかサポートして貰えない』でも『施せる手段があれば…』という気持ちでかけました。母のように『ほとんど治療をしていなくても』かなりの金額だったわけで『保険適用』の治療だけ…というのは心細い。
わたしの場合自分に『使命』というものがあると信じていて、何が起きようとその体験が世のお役に立つことがその使命であると思うのです。だから『臨床実験や検体』にも参加する所存だし、万が一事故死であれば『ドナー登録』もしています。わたしが神仏から預かっている『今世の肉体』は全て人の役に立ってこそ、『生き甲斐』ある人生ではないかと…思っているのです。そのためには人のお役にたてるように、自分の体を自分だけのものと思わず、大切に使わなければ!そんなことも考えています。
今現在『ガン』と診断されている方々はどう見られたのか『立花隆氏』が番組のリポートで明らかにしていたように、ウイルス性の疾患は『免疫機能』が元気ならばほとんどのケースで予防出来ても『細胞のコピーミス』が原因で発生する『ガン』は生理学上避けられないらしく、その治療の難しさは『人間の進化の過程で培われたDNAがさせていること』なので残念ながら『根治』は難しいのだ、ということでした。
『人生50年』と言われていたのが、今や平均寿命が80歳を超える国が多くなったものの、昔より環境が(悪い方向に)変わり、食生活も(悪い方向に)変わる中『細胞のコピーミス』を起こさない方法が存在するか…
最後の砦は『細胞のコピー機である自らの体』を最高の状態に保つことしか、考えられません。例えば、我が家にあるプリンター(4台)どれも、インクの目詰まりなどで、実際に使えるのは1台だけ…そんなことを考えた時『3流のインク』ではなく『品質管理されたインク』を使うとか、そんな『出費』も止むを得ないことだと思います。
小沢夫妻の息子夫婦、孫たちへの愛情は素晴らしく『引き継ぐもののいない』我が家は…と複雑な心境ですが、これも『授かりもの』我が家にコウノトリはまだやってきません。でも、最低限お互いの順番が回ってきた時には『自分の最後』に関して、語っておくべきだな…と感じました。
小沢夫妻の最後に注文を付けるわけではないのですが『自然葬を…』というお二人の希望…『お墓』の現状を知れば知るほど複雑な思いもします。が、やはり『授かった身体の納め場所』は大切。魂は『千の風』になっているかもしれません。わたしは輪廻流転を信じています。『お墓にはいません』というのもわからんわけではないですが『墓参』という『遺された者の心の区切り』としては必要だと思います。
北村のお墓は目下、振り積もる雪の中…夏はクマも出没するらしい…
住めば都…『楽しみにしている』わけではありませんが…その時が来るまではしっかり墓参をして、お守りしたい。その時が来たら喜んで北村の一員として、おじゃまする所存です!
皆さん、墓参、されていますか?いいものですよ!この世に存在する礎ですから…
LA時間 01:30AM