Background Acting (バックグランド・アクティング)

『エキストラ』というお仕事について書いてみることにします。
昨日はDisney Channelのドラマの撮影に呼ばれて行きました。
『東京へ海外旅行をしたメインキャラたちがホテルにチェックインしてひと騒動!』というシーン、わたしはホテルのロビーに居合わせた人という役。
LA郊外にある、エキストラ専門のキャスティングオフィスに登録すると、各番組のキャスティングディレクターがデータベースで写真とプロフィール(体型)を見て『撮影に必要な背景(バックグランド)』にふさわしい人を選んで採用します。
わたしの場合、呼ばれた時はもちろん、翌日、一日予定が入っていないときは、ホットラインに電話をします、番組ごとに必要な人員がアナウンスされていて、自分のカテゴリー(アジア女性、年齢層、体型)に該当する案件があればアナウンスされた電話番号に連絡します。わたしと同じカテゴリーの不特定多数の女性が電話をかけるなか1人のキャスティングディレクターによって電話対応しているわけで、常に『通話中』それでも、根気よくかけ続けて『ご縁があれば』採用になります。 電話がつながってもデータベースの内容によって『今回は不採用』ということも…。 あくまでの『背景』されど、こだわりの『背景』です。
諸手続きを経て、当日現場へ! 大切なのは『衣装は自分持ち』です。仕事を受けるときは配役が決まっているので、自分の持ち物で賄える仕事を選んでいきます。『この番組に採用されたいので、衣装を調達する!』そんな時は『リサイクルショップ』が便利です。普段は使わないアクセサリーも『有閑マダム役』を演じるときは必須アイティム!
持ち込んだ衣装が『背景』に相応しくないときはワードローブからお借りするケースも。時には、車、ペット、仕事道具(ガーデニング、大工道具)などを小道具として持ち込む仕事もあります。その時は小道具にも出演料が発生します。
現場に行くと、撮影スタッフが機材の準備をし、監督はメインキャラー相手にリハーサル。助監督(AD)がわたしたちの動きを指示します。とりあえず、わたしたちの仕事は『待機』。 セット内はごった返しなので、邪魔にならないように待合スペースでひたすら待機です。 昨日は結局7時間中、セットで活動していたのは1時間。
セットに入ったら、ADさんが短時間で『動く背景』を作っていきます。
わたしたちの衣装の色を使って、重ならないように、まんべんなく、邪魔にならない程度に動きをつけておきます。 わたしたちの役割は目立たず、滞らず、さりげなく『動く』こと。決して立ち止まることはありません。
昨日のわたしは軽い素材で動きのある衣装だったので、メインキャラクターの脇を通り過ぎる(カメラに映る!?) だったのですが、わたしのヒールがコツコツ音を出すので、シーンから外されることに…。本当に音には敏感です。視聴者の気を引いてしまってはいけないのです。
時には、カメラの前に出たがる、目立つ動きをする人がいます、エキストラを演じていて『スカウトされる』ことがないとも言えない…ということだと思いますが 反対に後ろのほうへ移動させられてしまいます。その場では逆効果みたいです。
いったん、指示を受けた動きも、ADが複数いたり、監督が直接指示することも。わたしたちもシーンごとに違う指示に対応しなくてはいけません。
待合スペースでの待機の時間をどう過ごすか!がキーポイント!
わたしは何と言っても情報ネットワークに入ることを楽しみにしています。
『八方美人』と言われるでしょうけど、コーヒーサーバーで居合わせたときに一言。書類を書き込むために隣り合ったときに一言。いろいろアプローチをしていきます。『類は友を呼ぶ』と言いますが、あるグループは車座になって『マイナス志向』で苦情のような話題で議論し、あるグループは『プラス思考』で自己啓発、自己育成を話題に盛り上がり、あるグループは『ただただ、雑談』停滞型。
それぞれのグループの中でも、価値ある情報を見つけることができるのです。全ての場が学びの場、全ての出会いが必須の出会い。
なんで、エキストラの仕事へ?って聞かれて『出会いの場を求めて!』って答えましたが、やっぱりわたし『現場が好き!』って感じてます。『女優目指しているの?』と聞かれて、もちろん!って答えました。
でも、生活のためにいったんは別の道を進みましたが、現場に戻るとやっぱり興奮します。 今日はこの辺で…。